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ナースの逃げ道学校では教わらない、現場の逃げ道。
アルコール手指消毒薬を使う、ニトリル手袋をつけた看護師の手

標準予防策(スタンダードプリコーション)とは|すべての患者に適用する感染対策の基本

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「この患者さんは感染症じゃないから大丈夫」——その油断が、感染を広げます。標準予防策(スタンダードプリコーション)は、感染症の有無にかかわらず、すべての患者さんの血液・体液などを“感染性があるもの”として扱う、感染対策のいちばんの土台です。厚生労働省の資料をもとに、標準予防策の考え方、個人防護具(PPE)の使い分け、そして特定の病原体に追加する経路別予防策(空気・飛沫・接触)まで、新人ナースにもわかるように整理しました。


「この患者さんは感染症の診断がついていないから、素手で大丈夫」——新人のころ、そう考えてヒヤッとした経験はありませんか。感染対策の落とし穴は、**「見た目や診断で“安全”を決めてしまうこと」**にあります。

そこで感染対策の土台になるのが、**標準予防策(スタンダードプリコーション)**です。名前は必ず聞くけれど、「結局どこまでやること?」があいまいなまま、という人も多いはず。この記事では、厚生労働省の資料をもとに、標準予防策の考え方・個人防護具(PPE)の使い分け・特定の病原体に追加する経路別予防策までを、やさしく整理します。

診断名ではなく、“すべての患者さん”を守る基本
診断名ではなく、“すべての患者さん”を守る基本

標準予防策とは「すべての患者さんに適用する」もの

まず、いちばん大事な考え方から。

ポイントは、「感染症とわかっている人だけ」ではないこと。診断がついていなくても、血液や体液には感染性があるかもしれない——そう考えて、誰に対しても同じように対応する。これが標準予防策の背骨です。

手指衛生は、すべての基本

標準予防策の中心にあるのが手指衛生です。「手洗い(石けんと流水)」と「手指消毒(アルコール消毒薬)」の総称で、場面によって使い分けます。

「いつ手指衛生をするか」は、WHOの5つのタイミングが世界標準です。詳しくは手指衛生5つのタイミングにまとめています。

個人防護具(PPE)は「触れるもの」で選ぶ

手袋・マスク・ガウン・ゴーグルなどの**個人防護具(PPE)**は、「何に触れる可能性があるか」で選びます。

“何に触れるか”で防護具を選ぶ
“何に触れるか”で防護具を選ぶ

特定の病原体には「経路別予防策」を上乗せする

標準予防策だけでは防ぎきれない病原体には、標準予防策に加えて経路別予防策を追加します。感染の“移動ルート”に応じて、大きく3種類です。

たとえば「MRSAが検出された患者さん」なら標準予防策+接触予防策、「結核疑い」なら標準予防策+空気予防策、というように上乗せして考えます。まず全員に標準予防策、そのうえで病原体に応じて追加——この順番が理解の軸になります。

咳エチケットも標準予防策の一部

外来や病棟では、患者さん自身に協力してもらう咳エチケット(咳・くしゃみのときにマスクやティッシュで口鼻をおおう、その後の手指衛生)も、標準予防策の一部として位置づけられています。

針刺しにつながる「鋭利器材の取り扱い」

標準予防策には、鋭利器材(針・メスなど)の安全な取り扱いも含まれます。使用済み針のリキャップをしない、専用の廃棄容器へすぐ捨てる——これは自分を守る対策です。万一のときの対応は針刺し・切創時の対応を確認しておきましょう。

まとめ

  • 標準予防策=感染症の有無にかかわらず、すべての患者さんの血液・体液などを感染性があるものとして扱う、感染対策の土台
  • 中心は手指衛生。目に見える汚染は石けんと流水、汚れがなければアルコール消毒
  • PPEは「何に触れるか」で選ぶ。手袋を外したら必ず手指衛生
  • 特定の病原体には経路別予防策(空気・飛沫・接触)を上乗せする
  • 鋭利器材の安全な取り扱い・咳エチケットも標準予防策の一部

「診断名で油断しない」——標準予防策は、患者さんも自分も守るための、いちばん基本の習慣です。日々の看護の土台として、まずここをおさえておきましょう。感染にまつわる自分の身を守る対応は、針刺し・切創時の対応もあわせてどうぞ。

#標準予防策#スタンダードプリコーション#感染対策#個人防護具#看護技術

出典・参考

※ 数値・医療的記述は上記の一次情報・公開資料に基づいて作成しています(公開時点)。

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