
「巡回中に患者さんが反応しない」「病棟で人が倒れている」——そんな一瞬に、頭が真っ白になってしまわないために。急変・心停止を発見したときの初動は、①反応の確認 ②応援要請とAED手配 ③呼吸の確認 ④胸骨圧迫、という決まった流れがあります。胸骨圧迫は“胸が約5cm沈む強さ”で“1分間に100〜120回”のテンポ、AEDは音声メッセージに従うだけ。東京消防庁・消防機関の公式手順をもとに、看護師が知っておきたい一次救命処置(BLS)の基本と、院内で動くときのポイントを整理します。
「夜勤の巡回で、ベッドの横に患者さんが倒れている」「デイルームで急に人がぐったりした」——そんな場面に出くわしたとき、頭が真っ白になって足がすくんでしまう。新人のころだけでなく、経験を積んでも「いざ」というときは誰でも怖いものです。
でも、急変・心停止への対応は、才能やとっさの機転ではなく、“決まった順番”で動けるかどうかが命を分けます。①反応を確認 → ②応援を呼びAEDを手配 → ③呼吸を確認 → ④胸骨圧迫。この流れさえ体に入っていれば、迷わず動けます。この記事では、東京消防庁など消防機関の公式手順をもとに、看護師が知っておきたい一次救命処置(BLS)の基本と、院内で動くときのポイントを整理します。「予兆」の段階での気づきについては、別記事もあわせて読んでください。
まず初動の流れ——「反応→応援→呼吸→圧迫」
倒れている人を見つけたら、あわてて駆け寄る前に、この順番を思い出してください。
ポイントは、「一人で抱え込まない」こと。反応がないと判断したら、まず人を集めるのが最優先です。院内なら、その場を離れずに大声で人を呼び、応援が来たら救急コール・医師への連絡・記録・物品を役割分担します。「呼吸をしているか自信が持てない」ときも、迷ったら心停止を疑って動くのが原則です。
胸骨圧迫——「強く・速く・絶え間なく」
BLSの中心は、なんといっても胸骨圧迫です。ここは数字で覚えておくと、いざというときに手が動きます。
「そんなに強く押して大丈夫?」と不安になるかもしれませんが、**心停止では“止まっている心臓の代わりに血液を送る”**のが胸骨圧迫の役割。ためらって浅くなるより、しっかり押すことが救命につながります。肘をまっすぐ伸ばし、体重を垂直にかけると、少ない力で深さを出せます。
人工呼吸は「できる人が・できるとき」でよい
「人工呼吸ができないと助けられない」と思っていませんか。じつは、そうではありません。
大切なのは、「完璧な手順」より**「絶え間ない胸骨圧迫」**。人工呼吸の準備に手間取って圧迫が止まるくらいなら、圧迫を優先します。院内では、バッグバルブマスク(BVM)が使える場面も多いので、日ごろから置き場所と使い方を確認しておきましょう。
AEDは「音声メッセージに従うだけ」
AED(自動体外式除細動器)は、電源を入れれば、あとは音声の指示どおりに動けばいい——難しく考える必要はありません。
AEDが「ショックは不要」と判断しても、それは「圧迫をやめてよい」という意味ではありません。呼吸や普段どおりの動きが戻らなければ、ただちに胸骨圧迫を再開します。パッドは貼ったままにし、救急隊や医師に引き継ぐまで外しません。
交代しながら、質を落とさない
胸骨圧迫は、想像以上に体力を使います。数分で圧迫が浅く・遅くなりがちです。
「上手にやろう」より、**「絶え間なく・質を保って続ける」**こと。そのために、チームで交代し、記録を残すのが院内対応の肝です。急変前の「おかしい」に気づく力については急変の予兆は“呼吸数”に出る、医師への報告は医師への急変報告はISBARCでもあわせてどうぞ。
まとめ
- 急変・心停止の初動は**「反応→応援・AED手配→呼吸→胸骨圧迫」**の順番。一人で抱えず、まず人を集める
- 胸骨圧迫は胸の真ん中を約5cm・1分間に100〜120回、完全に戻す・中断は最小限。ためらわず“強く・速く・絶え間なく”
- 人工呼吸はできる人ができるときに30:2。できなければ胸骨圧迫だけでよい
- AEDは音声メッセージに従うだけ。ショック後・「不要」でも、ただちに圧迫を再開し、パッドは貼ったまま
- 2人以上なら1〜2分で交代し、質を落とさない。時刻の記録も忘れずに
「怖い」のは、真剣に患者さんを守ろうとしている証拠です。だからこそ、流れを覚え、講習で手を動かしておくことが、いざというときのあなたを支えます。予兆の段階での気づきは急変の予兆は“呼吸数”に出る、意識レベルの評価は意識レベルはJCS・GCSで伝えるもあわせて確認しておきましょう。
出典・参考
※ 数値・医療的記述は上記の一次情報・公開資料に基づいて作成しています(公開時点)。
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