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ナースの逃げ道学校では教わらない、現場の逃げ道。
Female nurse in scrubs writing on a clipboard with a stethoscope on a pink background.

申し送りで詰まらないメモ術|結論ファースト&略語の使い方

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Photo: Thirdman / Pexels

申し送りで頭が真っ白になる新人さんへ。カルテにある情報は書かない、メモ欄にSBARの枠を作る、色は3色までなど、結論ファーストで詰まらないメモの取り方を、先輩目線で具体的に紹介します。記録の正確性は施設の公式記録を最優先に。


申し送りで頭が真っ白になって、メモを見ても何を言えばいいか分からない——新人さんなら一度は経験する場面だと思います。結論から言うと、詰まらない申し送りのコツは「全部書こうとしない」ことです。

メモは「自分が話す順番をなぞるための地図」であって、情報を漏れなく保存する場所ではありません。情報の保存はカルテ(公式記録)の仕事です。この記事では、結論ファーストで話せるようになるためのメモの作り方を、先輩目線で具体的に紹介します。

メモは話す順番をなぞる地図として使う
メモは話す順番をなぞる地図として使う

まず「結論ファースト」で話す型を覚える

申し送りで詰まる人の多くは、出来事を時系列で全部しゃべろうとして、途中で迷子になります。聞く側がいちばん知りたいのは「今どうなっていて、次に何をすればいいか」です。

おすすめは、医療現場で使われる SBAR(エスバー) の型に沿って話すこと。最初に結論(状況と要件)を置くので、聞き手も頭を整理しやすくなります。

  • S(Situation/状況):今いちばん伝えたいこと。「◯◯さん、夕方から38度台の発熱です」
  • B(Background/背景):そこに至る経過。「昼までは平熱、点滴◯◯を投与中です」
  • A(Assessment/評価):自分の見立て。「感染兆候かもしれません」
  • R(Recommendation/依頼):次の人にお願いしたいこと。「夜間も2時間ごとに体温チェックをお願いします」

この順番で話すと、「えーっと、それでですね……」と前置きが長くなるのを防げます。結論が先にあると、自分自身も話しながら迷子になりにくいです。

カルテに既にある情報は「書かない」

新人さんがやりがちなのが、カルテに載っている内容をメモに丸写しすることです。これをやると、メモ作りに時間がかかるうえ、本番で「どこに何を書いたか」を探す時間も増えてしまいます。

メモに書くのは、**カルテを見ただけでは伝わらない「今この瞬間の変化」や「次の人への依頼」**だけで十分です。

  • 書かなくていいもの:既往歴、入院日、定時薬の一覧(→カルテにある)
  • 書くべきもの:勤務中に起きた変化、医師に確認した内容、未完了のタスク、次勤務帯への依頼

メモ欄に「SBARの枠」を先に作っておく

勤務前に枠を作れば本番は空欄を埋めるだけで済む
勤務前に枠を作れば本番は空欄を埋めるだけで済む

申し送りの最中に一からメモを書こうとすると、フォーマットを考えるだけで手が止まります。そこで、勤務が始まる前に、メモ用紙に枠(テンプレート)を作っておくのがおすすめです。

例えば、担当患者さん1人につき次のような枠をあらかじめ用意します。

  • 氏名・部屋番号
  • S(今いちばんの状況)
  • B/A(経過と見立て)
  • R(次勤務帯への依頼)
  • チェック欄(投与・処置の完了チェック)

枠があると、空欄を埋めるだけで自然とSBARの順番になります。「何を書けばいいか分からない」状態から、「空欄を埋める」作業に変わるので、勤務中の記録もぐっと楽になります。

色は「3色まで」に絞る

メモを分かりやすくしようと色ペンを増やすと、かえって混乱します。色は意味を持たせて、多くても3色までに絞るのがコツです。

  • 黒:基本の情報
  • 赤:絶対に忘れてはいけないこと(時間指定の処置、要注意の指示など)
  • 青または緑:完了チェックや補足

色のルールを自分の中で固定しておくと、ぱっと見ただけで「赤=今やること」と分かります。色が多すぎると、どれが重要か一目で判断できなくなるので注意です。

略語は「自分が分かるもの」だけ慎重に

メモを速く取るために略語を使うのは有効ですが、注意点があります。自分用のメモと、人に伝える記録は分けて考えることです。

  • 自分用メモ:時短のための略語はOK(後で自分が読めればよい)
  • 公式記録・他者と共有する場面:施設で認められた表記を使う

略語の中には、施設や診療科によって意味が違ったり、書き間違いから事故につながりうるものもあります。正式な記録に書く表記は、必ず所属施設のルールに従ってください。あくまで略語は「自分が話す前に思い出すためのメモ」にとどめるのが安全です。

詰まっても大丈夫、と知っておく

最後に大事なこと。申し送りで多少詰まっても、患者さんが危険になるわけではありません。本当に大事な情報は公式記録に残っていますし、分からないことは「すみません、確認します」と言えば済みます。

メモは「うまく話すため」ではなく、「伝え漏らさないため」の道具です。完璧な発表をしようと気負わず、結論ファーストで「今どうなっていて、次に何をしてほしいか」だけ確実に伝われば十分合格点です。

まとめ

  • 申し送りは結論ファーストで。SBARの型に沿うと迷子になりにくい
  • カルテにある情報は書かない。書くのは「変化」と「依頼」だけ
  • メモ欄にSBARの枠を先に作っておき、空欄を埋める形にする
  • 色は意味を持たせて3色までに絞る
  • 略語は自分用にとどめ、正式な記録は施設のルール最優先

申し送りは慣れれば必ず楽になります。医師への報告でも同じSBARの型が役立つので、あわせて医師への報告が苦手な人のためのISBARCも読んでみてください。同時にいくつもの業務が重なって焦るときは新人のための優先順位の付け方が、初めての夜勤が不安なときは初めての夜勤を乗り切るコツが支えになるはずです。

#申し送り#メモ術#新人看護師#SBAR

出典・参考

※ 数値・医療的記述は上記の一次情報・公開資料に基づいて作成しています(公開時点)。

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