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褥瘡(床ずれ)は深さで重症度が変わります。DESIGN-RやNPUAP/EPUAPのステージ分類の考え方、仙骨部やかかとなどの好発部位、そして「作らない」ための予防の基本を、日本褥瘡学会の情報をもとに新人さん向けにまとめました。
褥瘡(じょくそう、いわゆる床ずれ)のケアは、新人のころ「これは大丈夫な発赤? それとも始まりかけ?」と判断に迷いやすい場面のひとつでした。赤くなっているだけに見えても、皮膚の下では組織が傷み始めていることがあるからです。
褥瘡は、深さ(深達度)で重症度が大きく変わります。浅いものと深いものではケアの考え方が違うので、まず「どのくらいの深さか」を共通のものさしで捉えることが大切です。この記事では、深達度分類の考え方、好発部位、そして何より大事な「作らない」予防の基本を整理します。
褥瘡はなぜできるのか
褥瘡は、体の一部に圧(圧迫)が長くかかり続けることで、その部分の血流が悪くなり、皮膚や皮下の組織が傷んでしまう状態です。骨が出っ張っている部分は、皮膚と骨の間で組織がはさまれやすく、特にできやすくなります。
圧迫だけでなく、ずれ(皮膚が引っぱられる力)、湿り(汗・失禁などによる皮膚のふやけ)、栄養状態なども関わるとされています。「動けない・寝たきりの時間が長い人」ほどリスクが高くなる、と覚えておくとよいです。
深達度を「分類」で捉える意味
褥瘡は見た目の深さによって段階が分かれます。日本褥瘡学会をはじめ、評価のための分類がいくつか用いられています。
細かい点数のつけ方や各段階の正確な定義は、施設で採用しているツールや手順書に従ってください。新人さんがまず押さえたいのは、**「浅い段階ほど早く気づいて手を打てば軽くすみやすい」**という大原則です。
正確な分類は経験も要りますが、「これは浅そう/深そう」「昨日より広がっている気がする」という気づきを先輩に共有することが第一歩です。
好発部位——「出っ張り」を覚える
褥瘡は、骨が出っ張っている部分にできやすいです。患者さんの姿勢によって、圧がかかる場所が変わるのがポイントです。
- 仰向け(仰臥位):仙骨部(おしりの中央)、かかと、後頭部、肩甲骨、肘
- 横向き(側臥位):大転子部(股関節の外側)、くるぶし、耳
- 座っている姿勢:坐骨部、尾骨部
特に仙骨部とかかとは、寝ている時間が長い方で要注意の部位です。観察するときは、「圧がかかっている出っ張りはどこか」を姿勢から逆算して、その部分の皮膚を見て回ると見落としが減ります。
経管栄養などで頭を上げた姿勢を保つ場面では、ずり下がりによってずれの力が加わることもあります。体位の保持については経管栄養時の体位確認もあわせて読むと、姿勢とリスクの関係がつかみやすいです。
何より大切なのは「作らない」予防
褥瘡は、できてしまうと治すのに時間がかかります。だからこそ、予防がいちばんの治療と言われます。予防の基本を押さえておきましょう。
- 除圧・減圧:定期的な体位変換で、同じ場所に圧がかかり続けないようにする。体圧分散用具(マットレスやクッション)を活用する
- スキンケア:皮膚を清潔に保ち、過度な乾燥や湿りを避ける。失禁などで濡れたままにしない
- 観察:好発部位を、決まったタイミングで見て記録する。消えない発赤を初期サインとして拾う
- 栄養・全身状態:栄養状態は皮膚の健康に関わるため、食事・水分の様子にも目を向ける(評価や対応は多職種・施設の方針に従う)
体位変換やラウンドのタイミングは、転倒予防の先回りの観察とも考え方が近いです。リスクの高い人を見極めて先に動く感覚は、転倒・転落を防ぐ観察も参考になります。
まとめ
- 褥瘡は圧迫やずれで血流が悪くなり、組織が傷む状態。骨の出っ張りにできやすい
- 重症度は深さ(深達度)で変わる。DESIGN-Rやステージ分類で共通のものさしを持つ
- 好発部位は姿勢で変わる。仙骨部・かかとは特に注意
- 押しても消えない発赤は初期サイン。早く気づいて報告する
- いちばんの治療は予防。除圧・スキンケア・観察・栄養が基本
- 分類のつけ方やケア手順は、自施設の手順・指示を最優先に
褥瘡は「気づいて、動いた人」が悪化を防げます。難しい分類を完璧に覚えるより、まずは好発部位を見て回り、「いつもと違う赤み」に気づいて声を上げること。その積み重ねが、患者さんの皮膚を守ります。
出典・参考
※ 数値・医療的記述は上記の一次情報・公開資料に基づいて作成しています(公開時点)。
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