
Photo: RDNE Stock project / Pexels
同期と比べて自分だけできない気がして、劣等感でしんどい——そんな新人看護師は少なくありません。でも、できる風に見える同期も陰で落ち込んでいることが多いもの。比べる相手を「横の同期」から「4月の自分」に変えるだけで、心がふっと軽くなる考え方をお伝えします。
「あの子はもう一人で受け持ちしてるのに、自分はまだ……」。ナースステーションの片隅で、同期の背中を見ながらそう思ったこと、ありませんか。
比べたくないのに、勝手に比べてしまう。比べた瞬間に、自分だけがダメな気がして胸が締めつけられる。その劣等感、本当にしんどいですよね。先に言っておきたいのは、そう感じるあなたは、ちゃんと真面目に頑張っている人だということ。どうでもいい仕事なら、比べて落ち込んだりしません。この記事では、その苦しさを少しほどく「比べ方の角度」を一緒に変えていきます。
“できる同期”も、陰では落ち込んでいる
まず知ってほしいのは、あなたから「できる風」に見えている同期も、見えないところで同じように落ち込んでいることが多いということです。
職場で見えるのは、お互いの「表側」だけ。テキパキ動いているように見えるあの子も、家に帰ってから先輩の一言を思い出して泣いていたり、こっそり手順をノートに書き写していたりします。SNSで前向きな投稿をしている同期も、その裏に同じ不安を抱えていることは珍しくありません。
- 落ち着いて見える人ほど、緊張を隠すのがうまいだけのことがある
- 質問しない人は「できる」のではなく「聞けずに抱えている」だけのこともある
- あなたが「自分だけ」と思っている悩みは、たいてい同期も持っている
つまり、あなたは他人の「ベスト盤」と、自分の「ボツテイク込みの全部」を比べているのです。これでは勝てるはずがありません。比較が成立していないだけなんです。
比べる相手は「横」じゃなく「4月の自分」
ここがこの記事のいちばん伝えたいところです。比べる相手を、同期(横)から、過去の自分(縦)に変えてみてください。
入職したばかりの4月のあなたを思い出してみましょう。
- 採血の針を持つ手が震えていませんでしたか
- 先輩への報告で、何から話せばいいか分からなかったはず
- ナースコールが鳴るたびに、心臓が跳ねていませんでしたか
今のあなたは、当時のあなたができなかったことを、いくつもできるようになっています。それは紛れもない成長です。同期と比べると「足りない自分」しか見えませんが、4月の自分と比べると「進んだ自分」が見えてきます。
小さなことでいいんです。「今日は先輩に聞かれる前に報告できた」「点滴の準備でもたつかなかった」。その積み重ねが、あなただけの成長の記録になります。
嫉妬は、本気で頑張っている証拠
同期に対してモヤッとしたり、うらやましく思ったりする自分を、責めていませんか。「こんなふうに思う自分は性格が悪い」と。でも、嫉妬は、本気の裏返しです。
どうでもいいことには嫉妬しません。あなたが同期をうらやむのは、それだけ「自分もちゃんとできるようになりたい」と願っているから。その気持ちは、あなたの向上心そのものです。嫉妬という感情を、「自分はどうなりたいんだろう」という問いに翻訳してみると、ただの苦しさが、進む方向のヒントに変わります。
- 「あの子の手際がうらやましい」→ 私は段取りを上達させたいんだ
- 「先輩に可愛がられててずるい」→ 私も安心して相談できる関係がほしいんだ
感情を否定せず、その奥にある「願い」を見てあげてください。
成長の速度は、人それぞれでいい
最後に、いちばん大事なこと。人によって成長の速度はまったく違います。
早く独り立ちする人もいれば、じっくり時間をかけて伸びる人もいます。そして、早いことが偉いわけでも、ゆっくりが劣っているわけでもありません。配属された部署の忙しさ、教えてくれる先輩との相性、その日の業務量——成長のペースは、本人の能力以外の要因にも大きく左右されます。
一般的に、看護師の専門性は数年単位で育っていくものです。最初の数か月の差は、長い目で見ればほとんど誤差のようなもの。今ゆっくりに見えても、あとからぐっと伸びる人はたくさんいます。だから、焦らなくて大丈夫です。
業務の優先順位づけに悩んで自分を責めてしまう人は、新人のマルチタスクと優先順位の記事も読んでみてください。やり方を知るだけで、「できない自分」が「まだ慣れていないだけの自分」に見えてきます。
まとめ
- できる風に見える同期も、陰では同じように落ち込んでいることが多い
- 比べる相手は「横の同期」ではなく「4月の自分」にする
- 縦の比較で、自分だけの成長が見えてくる
- 嫉妬は性格の問題ではなく、本気で頑張っている証拠
- 成長の速度は人それぞれで、最初の差は長い目で見れば誤差
それでも今がしんどくて「辞めたい」とまで思ってしまう日は、1年目の“辞めたい”は甘えじゃない記事も、初めての夜勤が不安な人は初夜勤が怖いときの記事ものぞいてみてください。あなたはあなたのペースで、ちゃんと前に進んでいます。
出典・参考
※ 数値・医療的記述は上記の一次情報・公開資料に基づいて作成しています(公開時点)。
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