
「本人はどうしたいのか」——意思を確認できないまま、終末期や急変の場面で家族と医療者が迷う。そんな場面を減らすための取り組みが、ACP(アドバンス・ケア・プランニング/愛称・人生会議)です。厚生労働省のガイドラインをもとに、ACPの意味、なぜ“繰り返し”話し合うのか、本人の意思が確認できないときの考え方、そして日々のケアで看護師にできる関わり方を、やさしく整理しました。
急変や終末期の場面で、意識のない患者さんを前に「この人は、本当はどうしてほしいんだろう」と、家族と医療者がそろって立ち止まる——。臨床にいれば、一度は経験する場面だと思います。
その迷いを少しでも減らすための取り組みが、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)、愛称「人生会議」です。名前は聞いたことがあっても、「結局どういうもの?」「看護師として何をすれば?」があいまいなまま、という人も多いはず。この記事では、厚生労働省のガイドラインをもとに、ACPの基本と、日々のケアでのそばでの関わり方を整理します。
ACP(人生会議)ってどういうもの?
厚生労働省は、ACPをこう説明しています。
ポイントは、「書類を1枚つくって終わり」ではないということ。本人の価値観や「どう過ごしたいか」を、周囲と共有していくプロセスそのものを指します。
なぜ“繰り返し”話し合うのか
ACPの説明には、必ず「繰り返し」という言葉が入ります。これには理由があります。
そしてもう一つ。本人が自分の意思を伝えられない状態になる可能性があることから、信頼できる家族等も含めて話し合いを重ねておくことが勧められています。
ガイドラインの基本の考え方
厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」は、方針の決め方を大きく2つの場合に分けています。
大切なのは、主語がつねに**「本人」**であること。家族や医療者の都合ではなく、「本人ならどうしてほしいか」を中心に据える——これがガイドラインの背骨です。
日々のケアで、看護師にできること
ACPは、特別な面談の時間だけで進むものではありません。むしろ、ベッドサイドの何気ない会話にこそ、本人の思いがにじみます。
医師・看護師・介護職・ソーシャルワーカーなど、多職種のチームで関わることも、ガイドラインが重視する点です。看護師は、本人にいちばん近い距離で、その「橋渡し」を担える存在です。
関わるうえで気をつけたいこと
まとめ
- ACP(人生会議)=もしものときに備え、望む医療・ケアを前もって考え、家族等やチームと繰り返し話し合い共有する取組(愛称は2018年11月に決定)
- 本人の意思は変わりうるからこそ、一度きりでなく繰り返す
- 方針の基本は本人の意思決定。確認できないときは家族等が推定意思を尊重し、内容は文書化して共有
- 看護師は、日常の会話から思いを拾い、チームに橋渡しする役割を担える
「どう生きたいか」に寄り添うことは、看護の本質そのものです。ACPは、その姿勢に名前と道すじを与えてくれる考え方だといえます。患者・家族との関わりに悩んだときは、患者・家族からのハラスメントへの対応もあわせてどうぞ。
出典・参考
※ 数値・医療的記述は上記の一次情報・公開資料に基づいて作成しています(公開時点)。
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